底付師のオールソール工房

昭和三十六年
初代店主 佐藤正利
平成二十三年
二代目店主 村上塁

マグナーニ (オパンケ製法) のオールソール①

before
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ありがたい事に最近マグナーニのオールソールを依頼される機会が増えており
特にお写真のようなオパンケ製法により外踏まずのアーチをサポートしている靴が多いように感じます。

 

このタイプのオールソールでは修理にあたる職人が直面する難しい点が幾つかありますので
最近修理したマグナーニ(オパンケ製法)の三足と共に見ていきましょう。

 

まず資材面について
このオパンケ製法の「本底」は見た目以上に大きいです。
爪先から踵までの足長ならば一般的な本底でも入るのですが
オパンケ製法の場合、下写真のように外踏まず部が捲れ上がっていることで
普段使いの本底ですと横幅が足りなくなるのです。

 

このため当店では
マグナーニのオパンケ仕様のために資材メーカーにイタリー製本底を特注しており
さらにそれを型取りし
捲れ上がる箇所だけ私が包丁を用いて
切って、漉いて、癖付け、貼ってと加工を
‥長くなりますので続きは次回にて。

 

ちなみに
こちらの靴、以前にも同じお客様に依頼して頂いたマグナーニになります。
当店では接客時間が長い上に、お客様の9割以上がリピーターさんになりますので
その方がどれだけその靴に対して愛情を注いでいるのかが良く分かります。

 

私達は魔法使いではありませんので技術の限界を思い知らされる修理も多々あります
ただ日々研鑽している技術で何とかなるものは何とかして差し上げたいと想うのです。
その想いが少しずつですが特注品を揃えていこうとする原動力になっているのかもしれません。

 

after
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