底付師のオールソール工房

昭和三十六年
初代店主 佐藤正利
平成二十三年
二代目店主 村上塁
靴職人の道具|革包丁

靴職人の道具|革包丁

靴職人を生業にしているとヨーロッパで勉強してきたのか聞かれる事がよくありますが、僕は日本の靴職人達の下で勉強してきた紳士靴の底付け師です。海外で勉強した経験はありません。

少し前まではそれがコンプレックスであった時期もありましたが、お店を始めたことで知り得たお客様・問屋・メーカー・他業種の方々の輪が大きくなるにつれ、後ろめたさは自然と無くなりました。

そして不思議と日本で頑張っていこうと開き直ると、日本の道具の利点や職人技術の素晴らしさを改めて感じとれるようになりました。

今回紹介するその代表的な道具の1つが革包丁で、この道具を開発したのは日本人です。

海外では切る道具と言えば一般的にナイフであり、靴作りにおいても用途や場所により何本も使い分けます。その点この包丁は持ち方を変えるだけで何通りもの使い分けができ、また柄に力を目一杯入れることのできる包丁だからこそできる「突き包丁」と呼ばれる動きも可能です。

 

靴職人の道具|革包丁

 

海外の靴職人さんが日本の包丁を見て浅草の問屋街で購入して帰るといった話は時々耳に‥道具の事となるとつい長くなってしまうので続きは次回にしましょうw