底付師のオールソール工房

昭和三十六年
初代店主 佐藤正利
平成二十三年
二代目店主 村上塁
トリッカーズのオールソール底部

トリッカーズの修理|オールソール交換

トリッカーズのオールソール交換をしました。そこで靴修理屋さんのブログで見かけるオールソールのビフォーアフター写真を載せようと思ったのですが、オールソール交換前の写真を撮り忘れてしまいました…。

効果半減ですが せっかくなのでアフター写真だけでも見てください。

今回のトリッカーズのオールソールでは、持主さまが使い込むことで生まれた革独自の風合いを大事にしたく①底面は特注色、②コバは色を調合して仕上げました。

トリッカーズの底面の色

最初に、底面に使っている色ですが、以前に製造の仕事をさせていただいた時の特注色で、紫と濃茶の中間色になります。このトリッカーズには馴染みが良かったのでこの特注色を使いました。

 

トリッカーズのオールソール交換後の底面

トリッカーズのオールソール交換後|底部は紫と濃茶の中間の特注色

 

トリッカーズのコバの色

次に、トリッカーズのコバの色です。トリッカーズのコバは高級紳士靴では珍しく顔料が使われています。出来合いのものを使ってもいいのですが、靴の底部の経年変化に合う微妙な色の違いを出したいので色を調合して塗りました。

 

トリッカーズのオールソール交換後のコバ

トリッカーズのオールソール交換後|色を調合して作ったコバの色

 

トリッカーズに限ったことではありませんが、本来、革靴は新品の状態では7割程度の出来に過ぎません。持主が使い込むことによって革が足に馴染んだオリジナルの一足へと近づいていきます。

それ故、メーカー側もソールを交換をしながら履いて欲しい、という意図のもと靴をプロダクトしています。

そして、持主さまが使い込むことで生まれた色もまた、持主さまと靴の歴史を感じさせるオリジナルの色と言えます。オールソールで新品のように仕上げるのも良いですが、持主さまと靴の歴史から生まれた雰囲気もまた大切にしていきたいものです。

追記

トリッカーズのオールソール、今度は忘れずにビフォーアフターの写真撮れました。トリッカーズ カントリーブーツのオールソール交換で、オリジナルの革底からゴム底(ダイナイトソール)へのカスタムオールソールです。