オールソールとは

伝統的な紳士靴は、オールソールをしながら履いて欲しい、という意図の下に作られており、新品の状態では7割程度の出来に過ぎません。持主が使い込むことで革が足に馴染み理想の一足へと近づいていきます。

故に、オールソールが必要になった靴には、新品以上の価値があり、靴職人(底付師)の私にとってオールソールは、単に靴底の交換をするものでなく、持主の理想の靴へと近づける大切な工程と考えております。

オールソールについて

オールソールは何回も出来るわけではありません。靴の製法と状態により1~4回程度が目安となります。故に、オールソールでは、見た目や履き心地が良くなることは勿論のこと、何より耐久性が求められます。

見た目、履き心地、耐久性。この3つは反比例するときがありますので、お客さまのご要望に合わせて、ご提案させていただきながら、ご一緒にオールソールの内容を決めていけたらと思います。

オールソールの流れ

オールソールは、ご予約制になっております。おそれいりますが、ご来店、またはご郵送前に、お電話にてご予約状況をご確認ください。

ご予約 お電話にてご予約ください。
受付 靴の状態を見て、オールソールの製法(靴の製法)やオールソールに使用する資材などの打ち合わせを行ないます。この打ち合わせのお時間はとても大切にしています。どんな些細なことでもお気軽にご質問、ご意見ください。なお、ご郵送の場合はメールまたはお電話にて打ち合わせをさせていただきます。
ご依頼 受付時にオールーソールの費用と納期をお伝えしますので、ご納得いただけましたらご依頼ください。なお、オールソールの費用はご依頼時のお支払いとなります。ご了承ください。
納品 オールソールが完了しましたら、店舗、または、ご郵送にてお渡しさせていただきます。

当店のオールソールについて

オールソールでは5~8種類程の資材が交換されます。それ故、オールソールをすると靴の機能性が良くもなれば、悪くもなり、場合によっては靴そのものの価値が180度かわることもあります。

しかしながら、オールソールは家の基礎工事と同じで、ものが完成してしまえば外から中の作りを見ることはできません。

だからこそ御自身の大切な靴がどのような資材でどのような工程を踏んで、どのような意匠が含まれてオールソールをされて戻ってくるのか?お客さまが知る事はとても重要なことだと思います。

故に、当店のオールソールについて時間があるときに掲載していければと思います。※赤文字が掲載できてる項目になります。クリックするとその項目に移動します。

靴にもお財布にも負担の大きいオールソールはそう何度もする修理ではなく、また、何度もできる修理ではありません。当店のオールソールがご自身の好みに合うか合わないか?一つの判断材料となれば幸いです。

一例として、当店では本革のみを使用してオールソールをしておりナンポウなどの資材は使いません。ナンポウを使用すれば費用も抑えることができますのでこの辺も好みが分かれるかと思います。

オールソール交換と釘

釘には、多きく分けて2種類の釘があります。靴底から見える釘を化粧釘。一方、外観からは見えませんが、靴を分解すると見える釘があり、この釘が靴の耐久性において、とても重要な役割を担っています。

化粧釘(飾り釘)

化粧釘は装飾として打たれることが多いですが、トップリフト部など、打つ場所によって、靴の耐久性を強化することにも一役かっています。

一方、化粧釘は靴底に打つため、釘が床に当たって、音が鳴ったり、滑ってしまうなどの危険性を伴います。そのため、化粧釘を打つ際には、音鳴りや滑りの危険性を低くするための工夫が大切になります。

故に、当店では革底の化粧釘は、真鍮釘を使い釘の頭は取ってヤスリにかけるようにしてます。また、ゴム底の化粧釘は極細の鉄釘を使い追い込みをかけるようにしてます。

化粧釘とオールソール交換の詳細を見る

靴を分解すると見える釘

普段、目にすることのない釘なので本数と言ってもピンとこないと思いますが、既成の高級革靴には、何十本もの釘が使用されています。

この釘は、靴の耐久性において、なくてはならない存在で、まさに縁の下の力持ちです。糊が劣化しても剥がれないよう部材をつなぐ役割をしており、この釘の本数や打ち方によって靴の耐久性も変わります。

故に、当店では既成靴で打たれてる釘の本数や打ち方に関わらず、釘を打つ際には靴の中に木型を入れて、靴の底側から十分な釘の本数を打つようにしてます。また、鉄釘の大半は錆び釘を使っています。

分解すると見える釘とオールソール交換の詳細を見る

チャネル

深いチャネル

革底を見ると、糸が縫われてる箇所に浅い溝が彫られてると思います。この溝のことをチャネルと言います。

チャネルは、製造過程で靴底を縫う際の目印として彫られるのですが、掘る深さによってチャネルは、歩行時に靴底の糸(ステッチ)が地面に摩れて切れてしまわないようにする「糸切れ防止」の役割をします。

故に、当店では一般的なチャネルの深さよりも数ミリ深く掘るようにしてます。また、チャネルは通常革底のみに彫られますが、当店はゴム底にもチャネルを彫るようにしてます。

チャネルとオールソール交換について詳細を見る

チャン糸と手縫い

リウェルトのすくい縫い

オールソールでは縫う箇所によって糸と縫い方を使い分けます。耐久性を考え、「アッパーとウェルトと中底又はリブテープ」の3つを重ねて縫い付けるウェルト交換はチャン糸を使って縫い付けます。

チャン糸とは、撚った麻糸に溶かしたチャン(松脂)を擦り込んだ糸で、靴職人が自分で作る糸です。縫うときの摩擦(熱)でチャンを溶かし再度固まることでチャンが接着剤のような役割をはたし部材を固定します。

また、この箇所はアッパーと中底を傷めない為に手縫いで縫います。

チャン糸と手縫いについて詳細を見る

リウェルト(ウェルト交換)

靴のコバ部分のウェルト

ウェルトは靴の側面にあるコバ上部の革です。靴の雰囲気を作るのにとても大切なパーツとなります。このウェルトは革以外にも様々な素材がありますが、当店では耐久面を考え本革のみ取り扱ってます。

これは、靴の構造上オールソールをする時にしかウェルトの交換が出来ないからです。オールソールはそう何度もやるものではなく、また、何度もできる修理ではありません。

故に、次にオールソールが必要になるまでにウェルトが割れたりしたら元も子もありません。また、本革のウェルトは耐久面だけでなく、経年変化による革独特の味わいも楽しんでいただけるかと思います。

ウェルトについて詳細を見る